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『ぶどう作り』

※志ネットワーク発行 「デイリーメッセージ平成20年8月号」より

『ぶどう作り』   平成20年8月10日 6234号

「ぶどう作りに長年取り組んできて、しみじみ分かったことの一つは、植物というものは、すべて、成長しよう、成長しようとしていることです。それが基本だと分かったのです。成長しないでおこうとしてる植物は、何一つありません。だから、植物を育てる時には、その成長しようとする働きを止めないこと、あるいは、邪魔をしないこと、さらに言えば、足を引っ張らないことが、何よりも大事なのです。」まるで、哲学者のような一言を、汗をかきかき、話してくれたのは、山梨県甲府市でぶどうを栽培している池川仁氏である。池川氏は、私が塾長を務めている『夢甲斐塾』の塾出身者である。
 私はかねてから、池川氏のぶどう作りに関心を持ってきた。何よりも、農業に取り組む考え方と姿勢がすばらしいのである。「農業というものは、心の底から、農業が好きで好きでたまらない、そういう人がやらなければだめです。いやいや取り組んでいて、いい作物ができるはずがありません」。農作業の途方も無く手間ひまのかかることを、苦しみと受け止めるのか、楽しみと受け止めるのか、それが分かれ道であると言うわけだ。
 池川氏を見ていると、とにかくぶどう作りが楽しくて、楽しくて、たまらないという雰囲気が全身からあふれ出ているのだ。早朝の四時過ぎから働く。それを苦痛などとは考えていない。ぶどうの成長する様子を一刻も早く見たいと思うから、布団から飛び出して、畑に向かう。そんな日々を送っている人から、月並みのぶどうが生まれるはずは無い。
 「塾長の話を聞いていて、毎回の講演をする時に、これが最後だと思って命をかけるという話を聞きました。そして、その話に大いに奮い立ちました。私もまた、ぶどう作りに取り組む時、今年が人生における最後のぶどう作りだと思うようにしています。そう考えると、言い訳がなくなります。今年は天候が不順だったからとか、長雨が続いたからなどといった言い方は、また来年もぶどう作りができると思っているからです」。私の話が、池川氏のぶどう作りにも影響を与えていると知り、感激した。
 池川氏は、収穫の時期、家に帰って、電灯の下に並ぶぶどうの色を見て、身の震えるような感動を感じると言う。ぶどう作りに命をかけた人だからこそ味わうことのできる感動である。池川氏の育てたぶどうを使って生まれたワインを一口飲んで、脳研究専門家の茂木健一郎氏は、「このワインは、宇宙の味がする」と言った。池川氏は、農業とは、宇宙の力を取り込む仕事であると考えてきたから、その一言に感極まった。
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夢甲斐塾は上甲晃塾長の教え『自修自得』の心で実践と凡事徹底を基本的な理念としております。

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